今はそうでもありませんが、僕はむかしビデオゲームが大好きでした。
村人に話しかけて主人公を成長させていくというタイプのゲームは苦手で、どちらかと言うとキャラクターが飛び跳ねたりアクションをするゲームが好きでした。
特に格闘ゲームが好きでして、僕がアメリカにいてたときは「ストリートファイターⅡ」が全盛期の頃でした。「ターボ」とか「X」とかの付いていない初代のやつです。
ご存知の方も多いかもしれませんが、アメリカでは「ゲームセンター」は「アーケード」と呼ばれていて、ゲーム機は皆立ってプレイするタイプがほとんどです。
日本のようにイスに座ってするタイプはなかなか見ることがありませんでした。
日本でもそうだったかもしれませんが、格闘ゲームの初期の時代でしたので、対戦相手はすぐ隣に立って(日本の場合は座って?)プレイしますので、結構ヒジやウデが当って本気のケンカに発展することもありました。
(ここから少しの間、ストⅡファンにしかわからないお話になりますが、ご了承ください。)
アメリカのストⅡ
これもご存知の方がおられるかもしれませんが、アメリカ版のストⅡはラスボス4人のうち3人の名前が入れ替わっています。
どうも理由は肖像権の問題だそうで、ボクシング使いのキャラが「バイソン」だと実在の人物である「タイソン」に名前が似ているため(実際に彼をモデルにしたそうですが・・・。)、大きな問題に発展する前に入れ替えたそうです。
なので、アメリカでは「バイソン」が「バルログ」、「バルログ」が「ベガ」、「サガット」はなぜか「サガット」のままで、「ベガ」が「バイソン」なのです。
ついでにアメリカ人には「リュウ」の発音が難しいようで、「リウー」とか言います。何回も教えてあげましたがムリでした。
アメリカのアーケードにもなぜか海賊版や改造ロムなんてのも流通していたようです。昇竜拳を連続すると、どこまででも空の果てまで飛んで行けたのです。そんなのゲームになりません。
あと、アメリカには100円玉はありませんので、クオーターと呼ばれる25セントのコインを投入してゲームを始めます。日本より随分やすいですね。
アメリカでは「ストリートファイターⅡ」のブームが一段落すると、次に大流行したのは「モータルコンバット」という格闘ゲームでした。
しかしこの「モータルコンバット」というゲームはアメリカであれだけ大流行したにも関わらず、日本ではいまだに誰もよく知らないというおかしな存在なのです。
コンプレッサー?
日本で人気のドイツ車のベンツにはKompressorと書かれた車種があります。
あるとき友人がそれを見て「コンプレッサーって普通ならCから始まるCompressorのはずなのに、何でKで始まってるの?」と聞くのです。
彼がなぜCompressorの綴りにそんなこだわりがあったのかはわかりませんが、僕がそのとき彼に答えたのは「ドイツにはアルファベットのCが無いのだよ。」と教えてあげたのです。
彼は「へえ~。そうなんだ。」と納得したのですが・・・、
コレが全くのウソ。
何しろドイツの国名をドイツ語でDeutschland(ドイチュラント)と言い、しっかりCが入っています。
僕はいつも彼にソレっぽいデタラメを教えて、後で「ウソだよ~ん」と冗談をするのが恒例になっていたのですが、それ以来彼に会っていないので、まだ信じているかもしれません。
ちょっと可愛そうなことしたかなあ。
本当の理由はといいますと「だたそれがドイツ語だから」としか言えないのですが、違和感を感じるのはしょうがないですし、特に英語が母国語の人は「ん?」と思うでしょうね。
コンバット?
実は、前回の記事でご紹介したアメリカで大ヒットしたビデオゲームの「モータルコンバット」は、英語ではMortal Kombatと書かれています。
そうです。Cで始まるCombatではなくKでKombatと書かれているのです。もちろんドイツ語なんかではありません。
それを「なぜか?」と聞かれても、僕が製作したわけではないのでわかりませんが、おそらく「カッコイイから」なのです。
それがなぜカッコイイのかと言いますと、このゲームのキャラクターは忍者であったり、カラテ使いだったり、全体の世界観が東洋風なのです。そう、あのアメリカ人がよくやる「なんちゃって」東洋なのです。
そしてそのキャラクターの母国語はやっぱり英語ではなく、彼らのアクセントで言う「コンバット」を表しているということではないでしょうか。
あたかもソレは英語の人にとっては「カタカナ表記」のようです。
しかも我々日本人はローマ字で日本のものを紹介する場合、カ・キ・ク・ケ・コはやっぱりKで書きますので、Kで始まる言葉は彼らには特に「東洋っぽく」感じるのかも知れません。(もしくはドイツっぽく?)
ただまあ、本当の理由は謎のままではありますが・・・。
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