食事の作法や動作というのは、日本人同士でも気になったりするものです。
そういったトコロに、その人のバックグランドだったり「育ち」なんてものが見え隠れするものなのです。
それは外国人であっても、そうだったりします。
もちろん、焼き魚を綺麗に食べたりとか、ご飯粒を残さず食べるというのが、外国の人にとって好印象に映るかどうかはわかりませんが、そういう事が出来る人は、おのずと外国の食事マナーもできたりするものです。
男性の場合は、少々ワイルドな人でもモテたりしますので、そこまで気にする事はないかもしれませんが、女性の方は気を付けておくと良いでしょうね。
男性であっても、必要な場面でマナーが身についてたりとかすると、ポイント高いですよ。女性はそういうトコロをよく見てるのです。
ただ、あんまり気にし過ぎて、ラーメンをお箸で巻いて音を立てずに食べている人を見たりすると、美味しくなさそうに見えますし、味噌汁なんかは、お椀を持ってズルズル飲むモノです。スプーンで食べたりなんてしちゃあいけません。
それはコチラの文化なのですから、恥ずかしがる必要は無いのです。
音を立てて食べましょう。
アメリカ人家庭の食事方法
さて、ここで一度、一般的なアメリカ人家庭の食事方法をご紹介いたしましょう。
少々、日本とは違ったりするモノですよ。
テーブルのセッティング
まず、家族全員がテーブルに着きます。テーブルには自分用のお皿(まあまあ大きめ)が置いてあります。お皿の横にはナイフ、フォーク、スプーン、口拭きようナフキン、グラスがあります。
テーブルの真ん中にはその日のメインの大皿、例えばチキンの胸肉の焼いたものが人数分置いてあったりします。
ちなみにアメリカでは、とりの胸肉はもも肉よりも値段が上です。日本の逆ですね。
もも肉や足は日本で言う「ホルモン」部分です。
アメリカではそういう部分を「黒人が良く食べる」と言ったりします。
なので「フライドチキン」なんかも黒人の食べ物と言われます。アメリカンジョークなんかでは黒人=フライドチキン、日本人=寿司みたいに言って笑いを取るのです。
(後、黒人はスイカも好きといわれます。なぜでしょうね・・・。)
さて、ハナシは戻ってテーブルの話。
大皿以外は、グリーンピースのバター煮、マッシュポテト、野菜サラダなどが並びます。
ちなみにアメリカでは、バターの消費がハンパありません。最近はマーガリンが体に悪いとか言ってますが、日本人の使う量ぐらいではほぼ変わらないと思います。それくらいアメリカ人はバターが好きです。
あと調味料として、塩、コショウ、バター(ほらね。)ドレッシングが置かれ、そしてお水の入ったビンなんかも置きます。
こういったメニューの場合、マッシュポテトがあるので、基本パンは出ません。でもスパゲッティーのときにパンが出たりする家もあるので、その辺の判断は家庭によるみたいです。
「いただきます」は言わない?
用意ができると、誰かが「さあ食べよう」みたいな事を言います。「いただきます」という言葉が無いのです。多くの家庭ではお祈りをする場合もあります。
そして全員が目の前の食べ物を取って、自分のお皿に必要分のせて次の人に回します。バター、塩コショウが必要な人は自分で取ってはいけません。「塩とってもらえますか?」とそれに近い人に一声かけます。そうすれば、そのうち回ってきます。気長に待ちましょう。
食べているうちに、お皿の上でいろいろ混ざってくるのですが、あきらめてください。たまにデザートも同じお皿で食べることもありますが、あきらめてください。
最終的に、お皿の上はこんな感じに混ざってしまいます。
食事中、話が盛り上がったりしますが、一言話すごとに必ず口を拭いてください。そうするとアメリカ感が増します。
マッシュポテトには元からバターが入っていますが、上にバターを足して塩コショウしましょう。そうするとアメリカ感が、もっと増します。
最後に「ごちそうさま」という言葉が無いので、お母さんに「サンキュー」を言って席をたちましょう。
さあこれで貴方もアメリカン!たのしいお食事を!!
不幸な人々
しかし、このような「伝統的なアメリカ人家庭」の食事をしてきているようなアメリカ人は、実はそんなにいないかもしれません。
サンクスギビング(感謝祭)やクリスマスは別として、こんな食事が毎晩できるような家庭はアメリカでも中流から上流の人達です。アメリカの人口の三分の一といわれている貧困家庭にとっては、夢のような食事でもあるのです。
両親が働きに出ていて、子供たちは家で簡単な食べ物しか食べれないという状況は、なんとなく日本でも良く似た話を聞いたりしますよね。
そういったバックグラウンドが食事の作法に出てくるのは自然な事ですので、相手のマナーが悪くても、あまり言ってあげるのは、なんか可哀想な場合もあったりします。
”rude”という言葉
食事マナーが悪かったりすると、英語では”You are rude!”なんて言われたりします。
この”rude”という言葉は日本語では「失礼」や「不作法」という言葉に当たるのですが、ホントは「思いやりが無い」という意味で使われたりする単語で、悪口なんかを言われたりする時にも使ったりします。
食事のマナーというのは「思いやり」であって、一緒に食事をする相手のためにすることなのです。
自分を良く見せるための方法では無いのです。
人によっては不幸な境遇のせいで、マナーを身につけるという経験をしなかった人もいるかもしれませんが、マナーとは「相手を思いやる気持ち」でありますので、その気持ちが大切なのです。
マナーとはそういう気持ちのコトですね。
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